こんにちは KBです。老人ホームで理学療法士のお仕事をしています。
人は歳をとるに連れて、身体の形態、機能、能力が変化していきます。これを加齢に伴う生理的変化(退行的変化)と呼びます。
本記事ではそれらの変化をわかりやすい言葉で、箇条書きでまとめましたので、紹介したいと思います。
周りの高齢者の理解に役立つと嬉しいです。では一緒に学んでいきましょう。
見た目の変化
見た目の変化は、他の筋、骨格の変化や内臓機能の変化が大きく影響しています。
- 背中が丸くなり、背が縮む
- 皮膚の弾力性が低下し、シワが寄る
- 白髪が増える
- 皮下脂肪が増える/減る
- 歯が抜ける
- 爪が肥厚化する(分厚くなり割れやすくなる)
- O脚、X脚
筋、骨、関節の変化
- 筋量の減少
- 筋力、筋持久力の低下
- 筋肉の弾力性の低下
- 骨粗鬆症による骨密度の低下
- 関節軟骨の磨耗
- 半月板(膝関節にある板状のクッションのような組織)の変性
- 関節の変形
- 関節の炎症
認知機能の変化
高齢者の認知機能変化の理解は大切です。多くの高齢者が程度の違いはあれど認知機能の低下が起きているからです。
- 短期記憶の低下
- 判断力の低下
- 適応力の低下
- 遂行力(ものごとに取り組む力)の低下
- 計算力の低下
- 言語能力の低下(前期高齢者では比較的保たれやすい)
- 認知症による上記認知能力の全体的な低下
☆長期記憶は保たれやすい傾向にある(自身の体験、昔からの付き合いがある人の名前など)
☆高い思考力を持ち、問題解決能力に優れている人も多くいる
精神機能の変化(個人差が強いので、参考までに)
- 喪失体験による落ち込み
- 職業、社会的立場の喪失からの孤独感、疎外感
- 加齢による身体変化への嫌悪、絶望
- 日常動作能力の低下に伴う落ち込み
※老年期に差しかかると、様々な人生のイベントがあり、それにより、気分の落ち込みを感じることがあります。日本の高齢者の10%が、軽度のうつ状態もしくはうつ病であると言われています。
☆経験により、強いストレス耐性を持つことも多い
高齢者の感覚機能の変化
- 視力、視野の低下
- 聴力の低下
- 味覚の低下
- 嗅覚の低下(比較的、保たれやすい)
- 表在感覚(触覚、温覚、冷覚、痛覚、)の低下
- 深部感覚(運動覚、圧覚)の低下
- バランス能力の低下
内臓機能の変化
- 消化器官の機能低下(胃や小腸、大腸、肝臓、膵臓など)
- 心臓の拡張性低下
- 動脈の弾力性低下
- 呼吸機能の低下
- 代謝機能の低下
- 内分泌機能の低下(ホルモン分泌の低下)
おわりに
以上、高齢者の加齢に伴う変化でした。基本的に、人間の機能、能力は加齢が進むにつれ低下していくものが多い中、比較的保たれたり、向上できる能力も確かにあります。
追加すべき項目や、疑問などがあれば、ブログかTwitterでご連絡ください!お待ちしております。
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