健康寿命を伸ばす、タンパク質、脂質、炭水化物のバランス

高齢者の食事

健康寿命を伸ばす、タンパク質、脂質、

炭水化物のバランス

こんにちは KBです。老人ホームで理学療法士として働いています。

本日、下記のツイートをしました。

 

先日、健康寿命を伸ばす為にはカロリー管理が大切だと書きました。

本ツイートではカロリー管理と一緒にPFCバランスが大事と書いています。

PFCバランスとは何でしょうか?ツイートを掘り下げていきましょう。

この記事で学べること

・PFCバランスとは何かをざっくり学べる

・高齢者に必要なそれぞれの栄養素の量を知ることができる

・栄養学の概要だけ書いてあるため、簡単でわかりやすい

PFCバランスとは

PFCバランスは、三大栄養素の摂取バランスのことです。三大栄養素は

タンパク質(Protein)

脂質(Fat)

炭水化物(Carbohydrate)

に分かれています。それぞれの頭文字をとってPFCバランスと呼ばれます。

栄養素は他にもミネラル、ビタミン等ありますが、先立っては三大栄養素のバランスを考えればOKです。

タンパク質(Protein)

人の体内で筋肉、内臓、髪、爪、血液、酵素など、色々な組織を作る元となる栄養素です。

従来、日本では穀物食が盛んであり炭水化物が多めの食事でしたが、近年では「筋活」「プロテイン」などのワードが流行し、高タンパク食が普及しつつあります。

タンパク質を含む食品群

・肉類…(牛肉、豚肉、鶏肉等)

・牛乳や乳製品…(チーズ、ヨーグルト等)

・魚類

・卵類…(鶏卵、魚卵等)

・大豆や大豆製品(納豆、豆腐、豆乳等)

・サプリメント…プロテイン

タンパク質のカロリー

三大栄養素はタンパク質、脂質、炭水化物があると説明しました。栄養素によって、保有するカロリーの量が違います。

タンパク質のカロリーは、1gあたり4kcalです。

仮に、鶏胸肉100gを摂取した場合…

鶏胸肉(皮なし)100g中の栄養素
タンパク質:23.3g
脂質:1.9g
炭水化物:0.1g     
ダイエットアプリ カロミルより

となっており、

タンパク質のみ→23.3g×4kcal=93.2kcal

タンパク質だけで93.2kcalが摂取できます。※脂質、炭水化物の保有するカロリーは後述します。

高齢者が摂取すべきタンパク質の量

厚生労働省HP (1)日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要によると、

50歳〜69歳、70歳以上の高齢者共に推奨量は

男性:60g  女性:50g

となっております。タンパク質の代謝量は筋肉の量に比例しますので、男性の方が若干数値が高いですね。

食事でこれを摂取するとなると、

朝食:茹で卵2個      :13g

昼食:豚の生姜焼き(もも肉):20.3g

夕食:焼き魚(サバ)と納豆 :15.6g、8.9g
             計:57.8g

実際は他の主食や副菜などもタンパク質を多少含む為、それぞれの分量を調節します。

食事で目標とするタンパク質量を摂取できない場合は、プロテインで補うこともできます。

脂質(Fat)

脂質は身体の中でエネルギー源となり、ホルモンや細胞膜の構成、脂溶性ビタミンの吸収を助ける役割があります。

脂質を構成する脂肪酸は大きく分けて2つあり、

飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸

に分かれます。今回の記事では詳細は省略します。

脂質=肥満の原因、中性脂肪!と勘違いされ敬遠されがちな栄養素ですが、脂質も必要不可欠な栄養素なので勉強しておきましょう。

脂質を含む食品群

油類:サラダ油、オリーブオイル、ココナッツオイル等

乳製品:チーズ、クリーム、バター等

肉類:牛肉、豚肉、鶏肉

魚類

ナッツ類:くるみ、マカダミアンナッツ、アーモンド等

脂質のカロリー

栄養素によって、保有するカロリーの量が違います。

脂質のカロリーは、1gあたり9kcalです。

ここで抑えておきたいポイントとしては、

前述したタンパク質や炭水化物は1gあたりのカロリーが4kcalなのに対し、脂質は1gあたり9kcalと倍以上のカロリーを保有する点です。

脂質の過剰摂取は中性脂肪の増加に繋がります。脂質を摂りすぎてはいけない理由は、1gあたりのカロリー量が多いことにも起因しているのですね。

例えば、ヒレステーキ(100g)を摂取した場合…

ヒレステーキ100g中の栄養素
タンパク質:21.1g
脂質:8.1g
炭水化物:3.8g     
ダイエットアプリ カロミルより

となっており、

脂質のみ→8.1g×9kcal=72.9kcal

タンパク質は21.1g×4kcal=84.4Kcal

なんと、脂質の少ないヒレステーキでもカロリー換算するとタンパク質のカロリー量に届きそうな数値になっています。

高齢者が摂取すべき脂質の量

厚生労働省HP (1)日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要によると、

50歳〜69歳、70歳以上の高齢者共に目標値は

男女ともに、総カロリーの20〜30%(kcal/日)

となっております。現状、それ以上の脂質を摂っている高齢者が多いため、「目標値」としています。

2000kcalが総摂取量だとしたら、44g〜67g、

1800kcalが総摂取量だとしたら、40〜60gが目標値です。

食事で考えると、

朝食:茹で卵2個      :10g

昼食:豚の生姜焼き(もも肉):11.4g

夕食:焼き魚(サバ)と納豆 :13.9g、5.3g
             計:40.6g

実際は他の主食や副菜なども脂質を多少含む為、それぞれの分量を調節します。

比較的、脂っこくなさそうな料理が中心でも40gです。これに揚げ物やスナック菓子などが加わると…

唐揚げ(1個):6.8g

カルビーポテトチップスうすしお味(1袋60g):21.6g

容易に60gは超えてしまいますね…

老若男女問わず、脂質の摂り過ぎには注意です!

炭水化物(Carbohydrate)

炭水化物はブドウ糖や果糖などの単糖類で構成されているものの総称です。

体内でエネルギー源になる糖質

消化酵素で分解、消化吸収されない食物繊維

に分かれます。

炭水化物を含む食品群

・穀類…米、うどん、そば、パスタ、パン等

・野菜…イモ、カボチャ、ニンニク、とうもろこし等

・砂糖及び甘味料

・果物…バナナ、栗、ブドウ、柿等

主菜と呼ばれる食べ物に多く含まれます。

炭水化物のカロリー

栄養素によって、保有するカロリーの量が違います。

炭水化物のカロリーは、1gあたり4kcalです。

1gあたりのカロリーはタンパク質と同じですね。

例えば、かけそば(乾麺100g)を摂取した場合…

かけそば(乾麺100g)中の栄養素
タンパク質:14.0g
脂質:2.3g
炭水化物:66.7g     
ダイエットアプリ カロミルより

となっており、

炭水化物のみ 66.7g×4kcal=266.8Kcal

炭水化物だけで266.8kcalが摂取できます。

高齢者が摂取すべき炭水化物の量

厚生労働省HP (1)日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要によると、

50歳〜69歳、70歳以上の高齢者共に目標値は

男女ともに、総カロリーの50〜65%(kcal/日)

となっております。

2000kcalが総摂取量だとしたら、250g〜325g、

1800kcalが総摂取量だとしたら、225g〜292gが目標値です。

食事で考えると、

朝食:ご飯150g(ご飯中盛り) :55.7g

昼食:かけそば(150g):100.1g

夕食:ご飯150g(ご飯中盛り):55.7g
             計:211.4g

主食だけで211g摂れていますね。

実際はここに、コロッケ(炭水化物20g程度)やポテトサラダ(1人前。炭水化物13.9g程度)等のオカズが加わる為、気を抜くと簡単に300gは超えてしまいます。

糖質の摂りすぎは糖尿病のリスクを高める為、注意しましょう。

※本記事は生活習慣病の既往のない方に向けたページです。

腎機能障害、糖尿病や脂質異常症等の既往歴がある方は医療機関の指導する食事制限に従ってください。

参考文献

厚生労働省HP (1)日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要

https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf

FineGraphicsさんによる写真ACからの写真

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